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「イザイホーと映像の時代」

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■沖縄・久高島を舞台にした映像作品をはじめて一望のもと連続上映

十二年にいちどの午年(うまどし)に行われる沖縄・久高島のイザイホー。
島の女たちが神女となるための成巫式だ。神女となった女性は男の守り神となる。

女性が宗教的な役目を、男性が政治経済的な役割を担うという伝統に、多くの民俗学者や歴史学者が注目し、琉球文化、ひいては日本文化論においても重要視されてきた。

1978年を最後に中断したイザイホーの姿を、21世紀に生きる者がありありと見ることができるのは、主に1966年と1978年のイザイホーを活写した映像を通してだ。

映像作家たちは、イザイホーに、久高に、何を見たのか。
あの時代、なぜ、あれだけの情熱が傾けられたのか。フィルムに何が映されたのか。
映像をどのように将来に遺し伝えていくのか。
作家・関係者の証言を聞き「イザイホーと映像の時代」を考える。

久高島を舞台にした野村岳也、北村皆雄、岡田一男、姫田忠義、大重潤一郎、葛山喜久監督らの映像作品を一望する、はじめての試み。

 


■プログラム予定(全6回)
 

第1回 7月25日(日)18時【1978年のフィルムからみるイザイホー】

上映作品:『沖縄久高島のイザイホー・特別短縮版』(1978年撮影/2021年改訂/70分/カラー)
ゲスト:岡田一男監督、三島まき(民俗祭祀研究者)

 

第2回 8月22日(日)【1966年イザイホーから久高漁師の記録まで 】
上映作品:『カベールの馬〜1966年久高・イザイホー〜』(1969年/28分/北村皆雄監督)
ゲスト:北村皆雄監督

 

第3回 9月26日(日)【映画『イザイホウ』からはじめた沖縄の映像記録 】
上映作品:『イザイホウ-神の島・久高島の祭祀-』(1967年/49分/野村岳也監督)
ゲスト:城間あさみ・澤岻健(海燕社)+内間豊(久高島出身)+聞き手:北村皆雄監督

 

第4回 10月24日(日)【1990年のイザイホー撮影】

上映作品:『イザイホー1990年-久高島の女たち-』(1990年/30分/姫田忠義監督)
ゲスト:小原信之(民族文化映像研究所)+澤幡正範カメラマン+青原さとし

 

第5回 11月27日(土)【比嘉康雄のみた久高島】
​上映作品:『原郷ニライカナイへ−比嘉康雄の魂』(2000年/60分/大重潤一郎監督)

ゲスト:須藤義人(沖縄大学准教授)

 

第6回 12月19日(日)【岡本太郎の沖縄・久高】
上映作品:『岡本太郎の沖縄より 完全版』(2018年/2021年再編集/132分/葛山喜久監督)
ゲスト:葛山喜久監督

​■開催趣旨

「イザイホーと映像の時代」連続上映&トークは、民族誌映画の普及振興とアーカイブを行う民族誌映画専門配信サイト「エトノスシネマ」の関連イベントとして企画しました。1966年の沖縄久高島のイザイホーの映画撮影から50年あまりが経過し、撮影素材の劣化はもとより、当時の事情を知る制作関係者が高齢化を迎え、次々と鬼籍に入るなかで、手遅れにならないうちにその経験と証言を蓄積し後世に伝える必要があると考えたためです。

記録映像をアーカイブするためには映像素材のデジタル化と並行して、そのフィルムが含んでいる内容、映像が撮影された背景、さらに映像には映されていないこと(撮影や編集でカットされたものなど)にまで目を配る必要があります。とりわけ記録映像では、完成作品には取り込まれなかった未使用フィルムが大量に存在しているケースがほとんどです。それらのフッテージフィルムは、史資料として貴重であるばかりでなく、映像作家が何を選択し何を選ばなかったのかという視線のあり方を示す大切な資料ともなります。しかしそのどれもが十分な保存措置がとられているわけではありません。

「イザイホーと映像の時代」連続上映&トークでは、作品の上映に加えて、作家本人あるいは関係者によるトークの時間を長めに確保することで、記録映像の制作や公開にまつわる証言を蓄積し、将来に遺すために何が必要なのかを紐解いていこうと試みます。

沖縄・久高島のイザイホーは日本復帰前の1966年以来数々の映画作家によって撮影されてきました。野村岳也はこの年の撮影をきっかけに沖縄に拠点をおき以後多くの記録映像を制作します。のちに野田真吉・野口武徳・宮田登らとともに日本映像民俗学の会を創設することになる北村皆雄は、1966年以来現在まで久高の撮影をつづけています。1978年のイザイホーでは、岡田一男が複数台の16㎜カメラと録音機を駆使して行事の頭から終わりまで精緻な記録を残しました。日本各地の基層文化を記録してきた映像民俗学者の姫田忠義は、イザイホーが行われなかった1990年の記録を残しています。大重潤一郎は、イザイホーが行われなくなったあとの久高島の祈りと生活を亡くなる直前まで撮影しました。

日本を代表する記録映像作家や映像民俗学者たちが、これほど久高島とイザイホーに情熱を注いだのはなぜだったのでしょうか。「イザイホーと映像の時代」連続上映&トークはその謎を解き明かすため、久高島を舞台にした野村岳也、北村皆雄、岡田一男、姫田忠義、大重潤一郎、葛山喜久監督の作品を一望に回顧するはじめての催しとなります。

本企画は、民俗映像の制作配給プロダクションである(株)ヴィジュアルフォークロアが主催し、(株)ポレポレ東中野の共催にて行います。事業の実施にあたっては公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京からの助成を受けています。また、上映作品の提供やゲストの登壇にあたっては関係各位の多大なるご協力を得ました。記して感謝申し上げます。


【主催】 (株)ヴィジュアルフォークロア、エトノスシネマ
【共催】 (株)ポレポレ東中野
【協力】文化財映像研究会・(株)東京シネマ新社、 (株)海燕社、 民族文化映像研究所、シンプルモンク
【後援】(一社)日本映像民俗学の会、(公社)全日本郷土芸能協会、ねりま沖縄映画祭
【助成】公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京

 

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​「イザイホーと映像の時代」チラシPDFはこちら

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